食の大辞典

おせち料理とは ?
おせち料理の起源は、弥生時代に始まります。
人々は、四季折々に収穫を喜び、豊作・大漁を感謝し、生活に節目(=節)をつけていました。
節には、陰暦正月七日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日と5つの節目があり、次第に邪気祓いや不老長寿を祈願する行事としての色彩が強くなりました。
とくに正月は、新しい年を迎える節であり、最も代表的な節として華やかなご馳走を用意したことから、いつのまにか正月料理だけを「おせち料理」と呼ぶようになりました。

数の子
【かずのこ】

数の子はニシン(鰊)の卵で、ニシンといえば「二親」と通じて子宝に恵まれるという語呂合わせから、おせち料理に使われるようになったようです。

ニシンは別称「かど」ともいわれ、かどの子がなまって数の子になったといわれてます。

一腹に五万〜十万個の卵があり、これを漬け込んで味わうわけですからまさに子宝に恵まれるという縁起のよい料理です。原料となるニシンは、アラスカ、カナダ沖(太平洋北東部)で獲れるものがほとんどです。

【あわび】

「あわび」の肉を薄く切って、長く引き伸ばしたものを熨斗鮑といいます。

このことから長続きするという意味を表しています。

また、のすという語は「伸ばす」に通じ、伸びる、出世する、発展するといった意味になります。

贈り物をするときに、熨斗紙をかける習慣が現在でも行われているのは、お付き合いが、めでたいことが、永く続きますようにとの気持ちの表れです。

【はまぐり】

ハマグリが縁起のよい食べ物として、祝膳にのるようになった歴史は古く、八代将軍吉宗が「祝い吸物」として用いることを奨励したことに始まるといわれます。

同一の貝殻以外は決して合わないところから、二夫にまみえずということで、貞節を表す縁起物として奨めたとされています。

蛋白質やミネラル、ビタミンAなどが豊富なことから、貴重な栄養源としても食べられていました。語源については、浜にある栗のようなものだとして「浜栗」になったという説があります。

煮干
【しらす】

しらす干にするしらすは一般に、イワシの稚魚を指し、特にカタクチイワシとマイワシの稚魚をその原料とします。

また、その乾燥の度合いによってはカチリ(関西以南ではチリメンジャコ)と呼び、各地で親しまれています。

イワシの稚魚がもう少し成長し、それをゆでて干したものが煮干となります。

健康食品ブームの現代、女性だけでなく子供にも毎日食べさせたいほど、タンパク質をはじめ、カルシウム、ビタミンDなど非常に高い栄養価の加工食品です。

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